
子ども食堂に抱かれるイメージと、本当の姿
2025年09月05日 01:39
池田真市(子ども食堂基金)
「子ども食堂」という言葉を、ニュースやSNSで目にすることが増えました。
広く知られるようになった一方で、そのイメージには温かさと同時に、少し誤解も含まれているように思います。
今日は、一般に抱かれやすい印象と、私が伝えたい実際の姿についてお話しします。
多くの人が思い描く子ども食堂
子ども食堂と聞いて思い浮かぶのは、地域の方が作ってくださる手料理を、子どもたちが安心して食べている光景でしょう。
そこには「人のやさしさ」「世代を越えた交流」「一緒に食べる楽しさ」があり、ボランティアの善意に支えられている場所という印象が強いと思います。こうしたイメージは、子ども食堂の魅力をよく表しています。
誤解されやすいイメージ
一方で、「子ども食堂は貧困家庭の子ども専用」という誤解も少なくありません。
実際は、経済的な事情に関わらず誰でも来られるオープンな場所が多く、特別な条件はないのです。
また「給食の代わり」「かわいそうな子が行く場所」といった先入観を持たれることもあります。そうしたイメージが、子どもたちにとってハードルになってしまうのは残念でなりません。
広がる新しい理解
ありがたいことに、最近はメディアやSNSの発信を通じて、子ども食堂が果たす役割が少しずつ正しく伝わるようになってきました。
「貧困対策」だけでなく、「孤立を防ぐ居場所」「地域のダイニング」としての意義が広がっているのです。
子どもだけでなく、高齢者や子育て世帯など、地域の誰もが安心して立ち寄れる場になりつつあることを、現場で実感しています。
現場で感じること
実際に開催してみると、食事を提供する以上に「見守られている安心感」が大切だと気づきます。
最初は一人で座っていた子が少しずつ輪に入っていく姿、子どもと一緒に過ごすことで元気を取り戻す高齢者の姿…。
こうした光景に立ち会うたびに、子ども食堂は単なる支援ではなく「地域の力そのもの」だと深く思います。
仕組みに変えていくために
池田真市 子ども食堂基金では、この活動を一過性ではなく「仕組み」として支えていきたいと考えています。
ボランティアや寄付の思いを継続可能な形に変え、どの地域でも子どもが安心して過ごせる場所を広げること。
そのために、これからも皆さまのお力をいただきながら取り組んでいきます。
子どもたちに伝えたいこと
子ども食堂は「特別な場所」ではありません。誰もが安心して集まれる「地域の食卓」であり、子どもたちにとって未来への希望です。
「ここに来てもいいんだ」と思える社会を、一歩ずつ広げていきたいと願っています。
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日本の子どもの9人に1人が貧困状態です。
あなたの寄付が、食卓と未来を支えます。
小さな一歩でも、大きな支えに変わります。
👉 ご支援はこちら → ikeda-fund.jp
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参考
「こども食堂、全国に9000か所超」(NHK/2024年)
「子ども食堂は“誰でも来ていい場所”」(朝日新聞/2023年)
「孤立防止と地域の居場所づくり」(読売新聞/2024年)